虫垂炎

虫垂炎とは

虫垂炎とは、虫垂に炎症を起こす疾患です。

一般的には盲腸と呼ばれていますが、実際には盲腸から突起状に伸びているのが虫垂です。

虫垂炎の症状

腹痛

ほぼすべての方に出る症状です。

虫垂のある右下腹部が痛くなりますが、前駆症状として胃のあたりに痛みが出ることもよくあります。

発熱

虫垂炎は、虫垂が化膿することによって起こります。

お腹の中の臓器が化膿しますので熱が出ます。

吐き気

胃のあたりの痛みとともに吐き気がすることもよくあります。

虫垂炎の治療方法

抗生剤(化膿止め)

虫垂が化膿する疾患ですので、手術をするしないにかかわらず抗生剤が必要になります

吐き気があったり、腸の動きが鈍くなっていますので入院して点滴での投与が望ましいです。

手術

虫垂は壁が薄く、構造的に行き止まりになっているため破れて腹膜炎を起こしやすい臓器です。

腹膜炎を起こすと命にかかわりますので、身体所見・血液検査・画像検査で破れる危険性があると判断した場合は緊急手術が必要になります。

手術には、開腹手術腹腔鏡手術があります。

待機的手術について

虫垂炎の手術は緊急手術となることが多く、体への負担が増すことに加え、虫垂炎の起炎菌が傷口に付いて術後に化膿することが珍しくありません。

また、手術をせずに抗生剤治療で一旦良くなった場合にも30%の患者様が虫垂炎を再発すると報告されています。

虫垂炎は突然起こる疾患で、再発すると学校や仕事に影響します。

そこで、初回の虫垂炎を抗生剤で治療し、その後都合の良い時を選んで再発する前に手術を行う待機的虫垂切除術が多くの病院で行われるようになっています。

当院では、小さな傷で痛みや体へのダメージが少ない待機的腹腔鏡下虫垂切除術を日帰りで行っています

待機的虫垂手術の利点

  • 傷口が化膿する危険性が低くなります。
  • 予定手術になりますので体への負担が軽くなります。
  • 患者様のご都合に合わせて予定が組めます。

待機的虫垂手術の術前検査

当院では安全に手術を行うために術前に腹部CT検査をお願いしております。

提携先医療機関またはお近くの医療機関を紹介させていただきます。

それ以外の検査(超音波検査、血液検査、レントゲン、心電図、呼吸機能検査)はすべて当院で行うことができます。

日帰り手術の基準について

当院では安全・確実に日帰りができるよう、手術の基準を定めています。

以下の項目に該当する方は日帰り手術の適応外となります。

  • 下腹部の開腹手術既往のある方
    (体格や手術術式によっては日帰り手術が可能です。)
  • 肝硬変のある方
  • BMIが30以上の方(BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))
  • 強力な抗凝固療法中で、弱めの抗凝固薬に変更できない方

待機的虫垂手術の対象年齢について

当院では中学生以上を対象に日帰り手術を行っております。

待機的虫垂手術の治療費

待機的虫垂手術の治療は保険診療で行うことができます。
治療費用は、保険の負担割合、収入によって異なります

当院での初診~手術~術後までの治療費用の目安をお示しいたします。

保険の負担割合 1割 2割 3割
術前 約2,500円 約5,000円 約8,000円
手術 18,000円 18,000円 約80,000円
雑費(自費分) 3,300円 3,300円 3,300円
術後 約2,000円 約4,000円 約6,000円
合計 約26,000円 約30,000円 約97,000円

当院ではクレジットカードがご利用いただけます。

術後の通院費用は、通院頻度や期間、検査費用、薬の内服期間によって変わってくることがあります。上記費用は術後1週間目と1か月目に2回通院した場合のものです。

3割負担の患者様の中で年収770万円以下の方は、高額療養費制度を利用すれば自己負担額が減ることがあります。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。自己負担の限度額は年齢や所得によって異なります。

あらかじめ、健康保険証に記載の保険主に限度額適用認定証を申請し、手術日にご持参いただければ自己負担限度額を超える医療費は請求されません。

手術日に限度額適用認定証をご用意できない場合は、健康保険の負担割合に応じた医療費を一旦お支払いいただき、健康保険証に記載の保険主に後から還付請求をすれば差額が返金されます。

高額療養費の自己負担限度額は以下のサイトで知ることができます。

高額療養費の自己負担限度額シミュレーション(価格.com)

Q3の金額は¥80,000とご入力ください。