- そけいヘルニアの手術方法
1.1.腹腔鏡手術
1.2.鼠径部切開法 - 当院の手術方法について
そけいヘルニアの手術方法
昔は、組織を直接縫い合わせて穴を塞ぐ手術が行われていました。
しかし、弱くなって拡がった筋肉の穴を縫い合わせると裂けて再発することが多く、現在では医療用のメッシュを使って蓋をする方法で行われています。
手術方法は、穴の内側からメッシュを当てる腹腔鏡手術と外側から当てる鼠径部切開法があります。
腹腔鏡手術
腹腔鏡手術は、小さな傷で5mm~1cmの筒(ポート)を数本入れて炭酸ガスでお腹を膨らませ、その隙間で手術を行う痛みや体へのダメージが少ない方法です。
腹腔鏡手術には、腹腔内(お腹の中)には到達せずお腹の壁の中から治すTEP(テップ)法と腹腔内から治すTAPP(タップ)法があります。
当院ではどちらの方法でも手術可能です。
単孔式TEP法
TEP法にも3本(1cm×1、5mm×2)のポートを挿入して行う方法と、おへそを1か所だけ2cm切開し、そこから3本の手術器具を入れて手術を行う単孔式TEP法があります。
当院では単孔式TEP法を採用し、第一選択としています。
お腹の壁の中で筋肉と腹膜の間を剥離し、穴があるところに内側からメッシュを当てます。
TAPP法
おへそと左右の下腹部に5mm~1cmのポート(筒)を3本挿入してお腹の中に達し、炭酸ガスでお腹を膨らませて専用の手術器具で手術します。
ヘルニアの穴が開いている周囲の腹膜を切開し、メッシュを敷くスペースを剥離します。
穴にメッシュを当てた後に腹膜を縫い合わせます。
鼠径部切開法
鼠径部のヘルニアが飛び出しているところの上を4~5㎝切って穴の開いている筋肉の上からメッシュを当てる方法です。
メッシュにもたくさんの種類があり、材質や敷く場所が異なります。
当院では何種類ものメッシュを準備しており、手術中に患部の状態に応じて最適なメッシュを選択しています。
当院の手術方法について
ご覧のように、そけいヘルニアにはいくつもの手術方法があります。
専門的には、メッシュの種類や敷く場所によってさらに細かく分かれます。
当院では、すべての方法で日帰り手術が可能です。
患者様の病状に応じて最も体への負担が軽く、痛みの少ない最適な手術方法を提案させていただきます。
具体的には痛みや体への負担が少ない腹腔鏡手術を優先し、その中でも傷口の数や大きさ、お腹の中への影響の少なさ等でメリットの大きい単項式TEP法を第一選択としています。
ご希望の手術方法がある場合はお伝えください。